重陽の節句

2021.09.09 19:58:55

本日、9月9日は五節句の一つである「重陽の節句」です。

五節句とは、江戸時代に定められた5つの式日(今でいう祝日)です。

・1月7日 人日の節句(七草がゆ) ・3月3日 上巳の節句(桃の節句) ・5月5日端午の節句

・7月7日 七夕の節句 ・9月9日 重陽の節句

古来より、奇数は縁起のいい陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりとなったそうです。

しかし、めでたい反面悪いことにも転じやすいと考え、お祝いとともに厄払いをしていました。

中でも、一番大きな陽数である「9」が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽」と定め、不老長寿や繁栄を願う行事が行われてきました。今では五節句の中でも影が薄くなりましたが、昔は、五節句を締めくくる行事として最も盛んだったといわれています。

また、重陽の節句に欠かせないのが「菊」の花。

「菊」の花には、古来中国には、「菊水伝説」という長寿伝説があるそうで、平安時代には、日本でも薬効の植物として語り継がれ、今でも、邪気を払う花として定着しています。

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される今日この頃ですが、重陽の節句に菊の花を眺めながら、世界を覆う「邪気」が払われるよう、

虫の声を聴きながら物思いにふける秋の夜長です。